1.体制転換の哲学
国民経済計画の不可能性
体制転換(移行):何から何へ
配分と交換
社会の自己崩壊
社会主義は自立した社会構成体か
アポトーシス型社会とネクローシス型社会
社会転換のアポリア
「移行」と「転換」
社会転換のイデオロギー
ポスト社会主義のイデオロギー

2.ポスト社会主義の経済システム
−国家資本主義と国庫資本主義
「漸次的」改革か、「急進的」改革か
体制転換のアポリア
資本の原始的蓄積
直接投資による再民営化
体制転換のエポック
国庫資本主義:生産と分配の非対称性
経済システムは収斂するか

3.借り物経済とゲストワーカー現象
借り物経済
資金調達と直接投資
産業分野による差異
ゲストワーカー現象:
多国籍企業との共生現象
「甘え」の構造−体制転換貴族
借り物経済のマクロ分析

4.経済危機下の中欧経済
−ハンガリー危機を分析する
危機の勃発
危機の構造
危機の原因
危機のコスト
危機の効用
危機の将来

5.ポスト社会主義の政治システム
−オポチュニズムとポピュリズム
戦時のイデオロギーと平時のオポチュニズム
「左翼」−「右翼」分類の陳腐化
政治倫理の欠如
ポピュリズム
民族主義
遅れてやってきた政治の転換

6.歴史評価と統治の正統性
ホルン元首相叙勲騒動
ホルンの経歴と役割
平和的移行と統治の正統性
歴史的偶然と個人の役割
ナジ・イムレ処刑の評価
正統性の形式と実体

7.独裁権力下の個人と倫理
政治的転換の二つの型
「タブー」をめぐる抗争
治安警察との関わり
映画:Taking Side(対峙)
治安警察と粛清事件
ノエル・H・フィールド事件からライク粛清へ
狂気と化すスターリン主義
56年動乱への道
「父と子」

8.ポスト社会主義の社会分析
−役人主権の変化と継続
「コメコン商品」:安かろう悪かろう
医師主権
役人主権
「コメコン事務所」
情報伝達の欠如と顧客軽視
公営企業の仕事振り
規律を欠く国会、けじめのないエリートたち

9.ポスト社会主義のイデオロギー:
ネオ・リベラリズム
旧体制を引き摺る医療制度
「1ユーロ」をめぐる国民投票
複数保険制度−医療保険民営化構想
「コーヒーと紅茶」:政府案への批判
映画:Sicko
複数保険イデオロギー

10.コルナイ経済学をどう理解するか
経済学は科学か、それともレトリックか
コルナイの理論的軌跡
レトリックとアナロジー
理論と政策
コルナイ経済学の特質:
理論か、それともイデオロギーか
結びに代えて